※ネタバレ要素がありますので、読まれる際はくれぐれもご注意ください。
源頼朝(CV:古川慎)
遮那王の兄。
冷酷な印象の頼朝と恋愛なんて想像できなかったのですが。。
知盛から逃れ平泉へ向かう遮那王は、思うところがあり頼朝に会うために伊豆へ。
それに肉親の縁に薄かった彼女が、兄と会う事を楽しみにしているのも理解できます。
ですが実際に会った頼朝は冷ややかな態度と怜悧な瞳で遮那王を射抜く。
頼朝の境遇や過去を考えれば仕方がないとはいえ、これでは遮那王が少し気の毒。。
そんな頼朝に天命を聞くと「お前の天命は私と共にある」と。
兄の心に寄り添いたい遮那王にとって、この出会いは彼女の心に微かな火を灯したようでした。
平泉では、修行を行いながら平和な日々を過ごす遮那王達。
頼朝を助けると覚悟を決めた遮那王が目指すものは、頼朝と共に立つ未来であり、その先の新しい世。
そして平家の横暴に不満が高まる中、遮那王は元服し義経として頼朝の元へ。
途中、令旨が出され頼朝が挙兵したとの噂も聞き、兄を支えたいという義経の気持ちが逸ります。
その頃頼朝は、石橋山から椙山へ逃げ延び苦戦中。
頼朝が最期を覚悟した正にその時、現れた義経達により何とか逃げ延びたものの、このままでは敗戦は必至…。
落ち延びた味方と袂を分かち、崩れ落ちるように座り込んだ頼朝は、気丈に振る舞っていたのですね…。
義経と二人になり、相変わらず冷たい態度の頼朝が義経の言葉で休んだのは、少しでも心を許したからなのか…。
十四の頃から恥を晒して生きていると告げた頼朝。
そんな頼朝の傍にいたいと思うのは、義経の優しさと兄弟の絆を大切にしているからなのでしょうね。
無事に安房まで落ち、頼朝と少しずつ会話らしきものが出来るようになった義経ですが、頼朝は相変わらず人を寄せ付けない。
それでも寝てしまった義経を運んでくれる優しさはあるようで少し安心。
その後鎌倉の拠点へ。
平家も追討軍を出し、頼朝達も出立することに。
すると頼朝から義経に褒賞を出すと言われ、何も思いつかない彼女が願い出たのは頼朝との手合わせ。
何とも欲のない義経らしい。
そして義経の予測を聞いて初めて微笑んだ頼朝に参った(笑)。
ただ「あれが本当に、あの人が言っていた者なのか」という謎の言葉が気になります…。
戦の優劣を左右する作戦に、何と頼朝も参加すると言い出したのにはびっくり。
嫌でも緊張感が…。
おまけに敵の総大将は教経だし重衡までいる。
その戦で頼朝の危機に、義経の力が発動しまるでに鬼神のよう。
でもそれを止めようとする春玄と弁慶を制止する頼朝の冷酷さ…。
我を忘れた彼女が力を使い果たし倒れたところを抱き止めたのは意外にも頼朝。
一体頼朝は何を考えているのか、その表情からは何も読み取れず…。
勝利で終わった戦後、頼朝の所で寝込んでいた義経。
自分の力を恐れていると打ち明けると、頼朝からは「お前が私を生かした」と礼を言われ…。
その瞳はいつもの冷徹なものではなく、揺れていてるのが印象的でした。
それに頼朝を怖いと告げた義経が、己を奮い立たせて彼の無茶を諌めた時。
頼朝が死ぬ方が怖いと素直な気持ちを零すと、彼が驚いたように目をみはったのは、彼女の真心が届いたからと思いたい。
それに義経をどう利用するか考えていた頼朝も、彼女の作ったお揃いの首飾りで気持ちが動いてくれれば良いのですが…。
そんな時法王から、京で横暴を働く義仲を討てと頼朝に勅使が。
義仲は二人の従兄弟。
でも血の繋がりなど意味を持たないと思っていた頼朝に、きちんとした道理があり、なる程とつい感心してしまいました。
無事に渡河戦を制して義仲を討ち取り、一晩中都を警護していた義経。
そこに頼朝がわざわざやって来て、報告がまだだと有無を言わさず彼女を自分の馬に乗せたのにはちょっとドキドキ(笑)。
でもそれは、疲れ切っている義経を眠らせるための行動で、ようやく眠りについた彼女に「お前は強情だな」と呟いた頼朝の優しげな眼差しに今度はクラクラしました(笑)。
また山中で起きた義経が、自分の力を恐れた時に肩を抱き寄せた頼朝。
触れ合う事に落ち着きを感じる義経と、彼女を気遣っている頼朝の気持ちが近付いたみたい…?
それに連れてきた場所が鞍馬山というのも嬉しい。
ただ頼朝の「お前の方こそ、怖い」の一言が切なげで気になる…。
その後、法王から頼朝と義経が呼び出され、頼朝に神器の奪還と貴族の嫁の話が。
頼朝の「怖い」発言と嫁の話が義経の心を重くし、更に頼朝が目を合わせてくれないし、義経が気の毒…。
嫁については、偶然出会った吉次から寂しいからだと指摘を受け、ならば忠信も同じ気持ちになるかと聞いてみると、寒気がすると言ったのには笑いました。
そんな義経と忠信の会話を眺めていた頼朝が彼女を呼び付け、臣下に対して気安いと苦言。
もしかして嫉妬?
すると義経だって黙っていられなくなり、頼朝が縁組するのが嫌だとつい本音が。
肉親の愛だと真っ直ぐに告げた義経を下がらせ、「このままでは駄目だ。なんとかしなければ」と呟いた頼朝がどこか焦っているよう…。
そして頼朝は嫁を娶る事を決め、義経の事は勝つための道具だと景時と話しているのを偶然義経に聞かれてしまい、涙を零し駆け去った彼女が可哀想…。
天の僕となり新しき世を作り上げる。
自分も同じ道具だと言いたかったのか…。
それ程の覚悟を持つ頼朝が、義経には心を乱されると。
義経が頼朝に感じていた珠玉の繋がりなど、天の僕である自分にあってはならないから、彼女と距離を取ろうとしていたんですね…。
一足飛びに頼朝の心に触れてこようとする彼女と、それに応えたいと思う自分が怖いと言う頼朝。
二度と愛する肉親を失いたくないと、苦しそうに吐き出す頼朝が哀しい…。
その思いを知った義経が、自分の事は顧みずそのまま進んでくれと。
ただ彼を慕い続けることを許し、天命の道連れに連れて行ってくれと願い出た彼女の気持ちを察すると胸が張り裂けそうでした…。
そんな良い雰囲気をぶち壊したのは重衡。
あろうことか頼朝の前で、義経の力が平家と同じだと言うし。
ところが平家の間者が放った毒矢を頼朝を守った義経が受けてしまい…。
死ぬ恐怖よりも、また頼朝に肉親を失わせる事になることに対して申し訳なく思う義経が優しくて泣けました。
そして取り乱した頼朝も初めて見た。
義経に刺さった針を探して、彼が見たのは果たして…。
襲われたのが偶然鞍馬山で良かった。
鞍馬寺に義経を運んだ頼朝は、覚日に女の義経がどうして男として育てられたのか問いただし、常盤御前の頼みだと聞かされます。
それに重衡の言葉も引っかかる。
義経が何者なのか、当然気になりますよね。
義経が全快し、頼朝に女であると隠していた事を謝罪すると、意外とあっさり謝罪は無用、これまで通り自分の元で働けと言ってくれて一安心。
そしてこの前の襲撃を理由にし、朝廷に平家追討を迫っていると説明してくれますが、裏で景時に常盤御前を探させている。
当然といえば当然。
頼朝としては、唯一の肉親であるはずの弟が実は妹で、しかも出自不明と来てるんですから…。
そうして正式な院宣が下り、一ノ谷の戦い前夜に常盤御前の居場所が分かると、頼朝が訪ね意外な真実が明らかに。
義経が平家の血筋というのは何となく想像できましたが、頼朝の味方として仕組まれていたとは…。
正に池禅尼の思惑通りになっている現状が何よりの証拠。
清盛の血を断つ者。
恐るべし池禅尼…。
だとすると、頼朝が義経に感じていた珠玉とは何なのか?
肉親による血的な思慕かと思っていたものは一体何だと悩む頼朝。
愛情とは素直に思えないんですね…。
そこに偶然出会った義経が聞かされた、頼朝の壮絶な過去…。
父の遺志を自分の意志に変えて生きてきた頼朝は強い。
でもここでふと見せた頼朝の弱さに、義経は思わずしがみついて、彼の託されたものを分けてほしいと。
生き残った頼朝の心に負った傷に胸が張り裂けそうでした…。
でもお互いが珠玉のような気持ちを感じあっているのが尊くて、泣けるほど美しいシーンでした。
一ノ谷の戦いへ向かう途中、一人川で泥を洗い流している義経の元へ頼朝が。
彼女の襟元をきつく合わせた後に雑魚寝の話になり、「これからは何があろうとも一人で寝ろ、何があろうともだ」なんて、心配と嫉妬で複雑な心境が可笑しかった。
そして悪路で行軍が遅れた義経は、鵯越で力を使い崖を駆け下り、重衡を倒して頼朝の元へ。
すると今度は知盛が相手に。
力を使い果たした義経の顔を、自分の首に押し当て気を喰わせた知盛。
これでは本当に義経は平家の…。
おまけに知盛は平然と人を喰って見せるし。
そりゃ兵がビビるわ。
でもここで頼朝が参戦。
二人の一騎打ちは迫力がありながら美しい。
そして知盛が放った、義経が平家の姫君という言葉に驚く頼朝。
また、頼朝の目が嫉妬に狂った男の目だとも。
やっぱりそうなの!?と緊迫したシーンでも嬉しくなってしまう(笑)。
頼朝の危機にまた力を使う義経が知盛の必殺を誓うと、知盛は面白そうに退散します。
自分を殺してくれるのを待ちかねるように…。
でも去り際に義経が同胞だとバラして行くのは流石知盛。
そうして義経はまた倒れてしまい、受け止めるのは勿論頼朝。
ここまでくれば、義経だって知盛の言うことを認めざるを得ない。
悲しくて涙を零す義経が哀れで仕方なかった…。
でもそんな彼女の手を取り口付ける頼朝が、自分の為に身を費やしてくれる義経を愛しいと…。
そして義経に頼むから自分の気を喰ってくれと頼む頼朝。
嫌がる義経に、彼女が人でなくても構わないと。
あの頼朝がここまで言ってくれるなんて…。
そうして彼女に覆いかぶさる頼朝と義経の口付で気を喰わせるシーンは、綺麗で色っぽく見惚れました…。
また、血は繋がらなくても絆があると言う頼朝の言葉も嬉しかったですね。
頼朝と義経は上手く気持ちが通じましたが、源氏軍では義経の力のせいで士気が下がっている始末。
景時に新しき世の事で釘を刺された頼朝と義経…。
こんな事を言われたら、義経が身を引くしかないでしょうに…。
当然頼朝だって理解しているはず。
義経ができるのは、知盛を倒す事。
共に未来を歩けなくても、破壊の悲劇は引き受ける。
だからこそ姿を消し、力の制御の修行をする義経。
二人の気持ちを思うと切なくて仕方ない(泣)。
壇ノ浦の決戦前夜、戻ってきた義経は知盛を討つ役目は自分が引き受けると頼朝に願い出ます。
ここで死に別れようとしている義経の気持ちを察していて、自分の為に生きろと、決して死んではならぬと言う頼朝の強い想いが泣かせてくれる…。
それに傍にいて欲しいのはお前だけだ、なんて言われたら、義経だって嬉しいに決まってる。
とにかく義経の気持ちが変わって胸を撫で下ろしました。
そして決戦当日、知盛と義経の激しい攻防。
人ならざる力を使い戦う二人から目が離せない。
だからこそ兵の恐れを招いてしまう…。
ここで頼朝が放った、義経を庇い誇る言葉が熱く、胸を打つ。
結果兵の士気が戻り、義経の援護に。
そして小船で駆け付けた頼朝によって、討たれた知盛…。
終わる事を喜んでいるように見えるのは、力を疎んでいたからでしょうか…。
最後に頼朝が義経の事を「私の愛する者」と言い放ったのが男前でした。
恋愛エンド
戦いから数日後、追討の報告に来た頼朝に嫁の話を蒸し返す法王。
邸に戻ると姫姿の義経が可憐で可愛く、その身体を気遣う頼朝が優しい。
また仲間に全てを話し、受け入れてもらえた義経の元へ皆が来てくれる事に、不器用に嫉妬しているのに彼女に全く通じていない頼朝が不憫(笑)。
そんな頼朝に法王から嫁の話を聞いて落ち込む義経。
ハッキリ嫌と言えない彼女が疲れたから休むと言うと、頼朝が彼女を抱え上げ褥へ。
頼朝に追求されて、彼の結婚が嫌だと白状すると、嬉しいと言う頼朝。
そして彼と連れ添って欲しいと…。
妻にしたいのはお前だけだなんて、出会った頃の頼朝からは想像出来ない言葉。
頼朝の笑顔が眩しい。
肉親の縁に薄かった二人は、家族というより強い絆で結ばれ、嬉しそうな頼朝に涙腺が緩む…。
永久に愛していると告げる頼朝。
これからの二人が幸せに天命を全うできますように…。
悲恋エンド
知盛との死闘で、義経の刀が知盛の胸を突き刺し、聞こえてきた頼朝の声に目を向けた刹那、首筋に知盛の攻撃を受け…。
そして黄泉の旅路の慰めにと、義経の形見として知盛が奪ったものは…。
瀕死の状態から生還した義経に、頼朝は以前よりも大切にしてくれるけれど。
何も見えず、喋れず、自由に動けない身で死を望む義経に、それでも頼朝は愛しい彼女を失えない…。
愛する人の役に立てない義経と、彼女の望みを叶えてやれない頼朝が不憫でたまらなかったです。
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