久しぶりの感想となった今作。
前巻でマメの様子が気にかかって、立て続けに読んでしまいました。
前巻では、高木やリアム、伊原など賑やかな面々が勢ぞろいでしたが、今回は澪と次郎、そして意外にも東海林さんがメインという、今までとは変わったストーリーとなっておりました。
とにかく涙腺が緩む回数の多いストーリーでした。。
※ネタバレ要素がありますので、読まれる際はくれぐれもご注意ください。
ストーリー感想
伊原の泣き落としに近い依頼を受けた澪達。
ただこちらの事件は、今回マメの消息を探る為の前哨戦や布石と言えるでしょうか。
あっさり解決に持ち込まれます。
それよりも今回の最重要案件はマメ!
とにかく、マメの姿が見えなくなることに対して、澪同様こちらも心配で仕方ありませんでした。
そしてマメが見つかった場所は、かつて一哉の件で訪れた廃寺。
そしてマメと行動を共にしていたのは、あの市松人形。
二人(?)で一体何をしているのか?
どうやらマメの姿が消えかかっている原因もここにあるようで…。
そして意外にもこの件に自ら関わってきたのは、東海林さん。
この廃寺の元僧侶でもある彼と、市松人形との関係も明かされます。
東海林さんの過去の悲しい出来事には、涙が止まりませんでした…。
でも流石実力はお墨付きの霊能者。
もの凄く頼りになります。
今回対峙するのは、かつて東海林さんと因縁のあった悪霊なのですが、とにかく強い。
東海林さんが早々に倒れてしまうくらいですから…。
そしてやっぱり何度も挫けそうになりながらもマメや一哉、そして次郎の助けを借りてピンチを切り抜けるのは、澪。
本当に今回はよく頑張ったなと思います。
それに次郎も。
まさか一哉が身体を借りるほどの相手だとは、相当の悪霊ですよね。
澪はともかく次郎も痣だらけになり疲労困憊になる調査なんて、今回が初めてではないでしょうか?
そして市松人形も無事に目的を果たせそうで、こちらも本当に良かった。
東海林さんの今での苦しみや後悔が報われて、本当に救われたよう。
東海林さんの選んだ今後の道は、彼の望むようにして欲しいですね…。
キャラクター
相変わらずの第六のメンバーですが、今回は序盤の調査で晃くんが関わった程度。
ただ、晃くんの気を遣を使っていないようで、実は遣ってくれる様子は、見ていて心地良い。
それになんと言っても次郎の澪に対する態度が、巻数を重ねるごとにどんどん優しくなっているのが見ていて嬉しいですね。
もちろん、さり気ない気遣いや優しさでありますが、澪が大切だというのがもの凄く分かるようになっただけでも随分進展したなと。
あの最初の面接が嘘のよう(笑)。
東海林さんに、澪について語った事も気になります。
その東海林さん、まさかの過去には驚きました。
只者ではないと思ってはいましたが、歴史あるお寺の、しかも実力のある霊能者だったとは…。
彼の背負ってきた過去とどう向き合って行くのかも見どころです。
そして今回のメインと言っても過言ではないマメ!
本当に良かった!
もうこれに付きます。
マメがいるだけで癒やされる…。
もちろんマメにとっては成仏が一番真っ当な供養なのでしょうが、マメの元の飼い主の願いが今叶っているのなら、もうしばらくは澪と一緒に居て欲しいと願ってやみません…。
まとめ
今までの伏線が回収されたような今作。
一応一区切りついた感じでしょうか?
あの市松人形に隠された秘密と東海林さんとの関係には、心を動かさずにはいられませんでした。
これからの東海林さんが心穏やかでありますように…。
そして澪と次郎の関係性も気になるところ。
澪の卑屈とも取れそうな自己否定感を次郎も気付いているようだし、それを次郎がどうやって解いていくのか、それとも見守るだけなのか。
澪の頑ななこじらせ癖を、何とか次郎にはとき解いて欲しいです。
晃や高木も次郎の変化を感じているようだし、そもそも次郎本人も前を向いているようで、これからの展開も楽しみです。
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