不思議の国のアリスをベースにした『白と黒のアリス for Nintendo Switch』。
私は子供の頃からアリス(特に鏡の国)が大好きなので、とても興味がありました。
不思議の国が黒の世界なら、こちらは白の世界。
それぞれアリスという特別な血を持つダブル主人公により攻略対象も違います。
このシステムも私はとても惹かれました。
そしてアリスという王家の血に流れている物質と、吸血という行為。
今回はこのような要素を持つこちらのゲームについての感想です。
※ネタバレ要素がありますので、読まれる際はくれぐれもご注意ください。
キャラクター別感想
ジャック(CV:興津和幸)
女王の親衛隊の隊長で、テイルエンドであるのにあのレインと渡り合えるほどめちゃくちゃ強い。
なのに不器用で控えめで謙虚すぎるほど謙虚で、ある意味じれったすぎ。
女王に仕えるだけで生きている意味があると考えているくらい、忠誠心の塊。
正直あまりタイプじゃないと思いましたが、意外や意外、ジャックの一途な想いと、おどおどと話すくせにルナを守るときは堂々するギャップと格好良さに参りました。
最初はルナに近づくことすらできなくて、陰から見守るというより周りから守護霊呼ばわりされるくらいの極端な遠慮深さ。
徐々にルナと距離も近くなるのに比例するかのように気持ちも近づいて行く過程が、とても自然に描かれています。
この変化が自然で心地よく、二人の微笑ましいやり取りに思わずほっこり。
そんなジャックのためにルナが苦労してお弁当を作った途端に、突然黒の世界に帰るジャックには重わずため息がでてしまいましたけど。。
ルナの、いなくなって初めて気づくジャックへの気持ちに切なくなりました。。
でもそれは、アリスの暴走を防ぐため。
しいてはルナを救うため。
ジャックが仕える女王はあくまでもルナなのですから。
そしてルナが思い出す記憶。
アリス後によって狂った母に殺されそうになった時、救ってれたのはジャックだと。
そしてまた、ジャックも幼い頃彼女に救われていたのだと。
「頑張ったね」の一言がどれだけ劣等感の塊だった彼を救ったのか。
幼い頃の何げないやり取りが、それからのお互いを支えることになるとは。
この辺りは、本当に上手くできてるなと思いました。
なぜ、最初からジャックが女王にあれだけ心酔しているのか。
そして、テイルエンドの彼がレインと張り合うくらい強いのか。
ここでようやく腑に落ちました。
そんな二人を追い詰めるレインには、もはや嫌悪しかなく(笑)。
ごめんよレイン。
そうして迎えるベストエンドとバットエンドは、白と黒の世界でそれぞれ発生します。
黒のベストエンドは、やはり女王としての誇りと責任のために、黒の世界に戻ったルナとジャックのストーリー。
何度も危機に見舞われながらも、ルナを守るジャックの決意は揺るぎなく、とても頼もしかったです。
そしてルナが女王として新たに定めた法案は、血による支配を必要としないもの。
これにはジャックの苦労を知っているだけに、本当にルナの采配に拍手です。
それに、ジャックがルナの血で潜在能力に目覚めた結果、ルナのアリスも弱体化されたよう。
何やら矛盾を孕んでいるようですが、当面はアリスの暴走もこれで抑えられそうで安心かな。
裁判でスノウが窶れていくのは少し気の毒でしたけど、努力や資質で評価され、個々の能力と采配によって変わりゆく世界には希望が見えました。
そして二人の甘い様子も、最初の守護霊ジャックとはえらい違うなと突っ込みながら、楽しませていただきました。
白のベストエンドは、白の世界で生きていくことを決意したルナとジャックのストーリー。
とは言えやはり黒の世界が気になるルナに、ミネットから、かつてルナのように追放された女王の末裔の可能性と二人の後継ぎの話を聞いて、まだ出来ることがあると、少し希望が持てました。
そして平和な世界での初めてのデート。
これがもう初々しくて微笑ましい限り。
住む世界が変わっても、この二人なら大丈夫と思わせくれる素敵なエンディングでした。
白のバットエンドは、ジャックによるルナの監禁エンド。
黒のバットエンドはアリスの暴走によるエンド。
どちらも救いはないですね。。。
ミネット(CV:木村良平)
レインが選んだ愛日梨の話し相手なのですが、とてもナンパで軽い。
おまけに気まぐれで神出鬼没。
甘え上手。
どうやら愛日梨に一目惚れしたらしいけれど、本気かからかっているのか真意がはかれない人物でもあります。
おまけに魔法使いで薬を作るのが得意。
なんだかんだ愛日梨を言いくるめてアリスの血をもらったり、この辺りの采配がとても自然でうまいんですよね。
そういえばこれ、ジャックルートのルナにもしてたっけ。
そんなイマイチ信用できないミネットなのですが、優しいのは確かなんです。
色々話し相手になってくれたり、外に連れ出してくれたり、魔法で楽しませてくれたり。
そして愛日梨の顔色を読むのが上手い。
すぐに気待ちを察して元気づけてくれます。
なのに突然用事を思い出したとかで、愛日梨を放り出して急に帰ることも。
あまりの変わりように何かあるとは察せられるものの、それが何なのかずっと気になっていました。
何だか謎が多いんですよ、ミネットは。
また親密度が上がってくると、からかったと思えば額にキスしたり抱きしめたりするように。
スキンシップも含めて、自分のやりたいことを何の遠慮もなく行動してしまうのがミネット。
本当に気まぐれな猫というイメージがピッタリ。
そんなミネットの事を段々気になってきたアリスが何だか可愛くて、応援したくなりました。
それにミネット最大の謎とも言える公爵夫人。
初めはペットなんて言うから、いかがわしい関係かと勘ぐっていたのですけど(笑)。
とにかくな〜んか怪しいなとは思っていたら案の定でしたね。
おまけに猫ちゃんって(笑)。
ですが「飼われてる」の本当の意味を知った時、全てが腑に落ちました。
なるほど、こういうカラクリだったのかと。
でも公爵夫人のために最初から愛日梨を狙っていたなんて。
しかもお約束の若返りの薬。
まぁ契約で逆らえないのはわかるんですけど、愛日梨が気の毒すぎ。
今までの言葉が全部ウソでも、その時の嬉しかった感情は本物だから、と信じている愛日梨が本当に純粋すぎて守ってやりたくなりましたよ。。。
でも逆にここからどうやってミネットと恋愛に発展するのか俄然興味がわきました。
ミネットも薄々自分の気持ちに気付いていくんですよ。
せっかく手に入れた愛日梨なのに、一緒に暮らしていても全然楽しくないことに。
それは何故か?
お互いの笑顔が見たい。
お互いを喜ばせたい。
お互いをもっと知りたい
とても自然にお互いを想う気持が素直で愛しくて。
お互いが好きだと、公爵夫人の件で気持がハッキリして却って良かったのかも。
そして事態を解決するために、アリスの解毒薬を作ることになるのですが、思っていたよりレインがいい奴でビックリ。
愛日梨に的確なアドバイスくれたり、さりげなく愛日梨を気遣ったり。
結構良い奴で、これはレインの攻略も楽しみになりましたね(笑)。
それにしても公爵夫人、えげつない人だなぁ。
魔法使いの若さや美への執着は、ディズニーでは鉄板でもありますけど、どんなことをしても永遠の若さと美貌を手に入れたかったんですね。。
助けに来たミネットが、あまり見ることのない真剣さで、これはこれで目の保養になりました。
そうして黒のベストエンド。
無事に薬ができて、ルナが女王に。
愛日梨は白の世界で卒業するまでミネットに待ってもらい、そしてミネットとが迎えにくるという、どうみても一番まとまりのよいエンディング。
公爵夫人も無事に?老衰でなくなり、貴族の魔法もこれから整理されミネットが王宮の魔法使いになることに。
このエンドでは、ミネットが結構泣き虫で愛日梨の方が強いのには好感が持てました。
格好良いと言わせたいと言うミネットが、彼の意に反して可愛い(笑)。
そして以前ミネットが愛日梨に買った安物の指輪を、卒業式の後の桜の下で指にはめるというラブシーンはとてもロマンチックで幻想的でした。
白のベストエンド。
バットエンドと途中まではおなじで、こちらはミネットのいない世界。
ところが突然ミネットが訪れます。
白の世界で愛日梨に会うために、女王専属の魔法使いになったミネット。
これにはよく頑張ったねと、褒めてやりたい。
これからは、ちょくちょく会えるのだと思うと、本当に良かったなと思いました。
ただ、やはり黒エンドの方がしっくりくるんですよね。
ルナは仕方ないとしても、愛日梨は白の世界側の人間なので、てっきり白のベストエンドの方に重点を置くかなと考えていたので。。
それとも攻略対象相手によって違うのかな?
ますます他のキャラクターの攻略が楽しみになりました。
黒のバットエンド。
結局薬の効果はなく、ルナが暴走、アリスが代わりを務めるもうまく行かないという話。
白のバットエンド。
これは切ない。結局解毒薬が完成して愛日梨が元の世界へ戻ってめでたしめでたしなのですが、肝心のミネットのいない世界は辛すぎる。。。
ここまでジャックとミネットの一通りのエンディングを見て思ったのは、ミネットの方が女性慣れしているのに、ジャックの方が積極的でキスシーンが多かったのには正直意外でした。
ミネットが猫だから?(笑)。
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