まったりのんびりほっこり

ゲームや読書などを中心に、日々感じたことを書いてます。

『わたしの幸せな結婚 二』感想

 

1巻読了後、先の展開が気になり立て続けに読んでしまった2巻。

前巻では主に美世の生い立ちと実家の非道さについての話がメインであったのに対し、2巻はガラッと趣きが変わり、美世の異能に焦点を当てたストーリーとなっております。

 

 

※若干ネタバレしておりますので、お読みになる際はくれぐれもご注意ください。

あらすじ

1巻から美世の悪夢についての記述はあったものの、それがさらに酷くなり、毎日のように寝不足が続き体調が悪化するまでに。

そんな美世の状況に清霞も気付いているのですが、原因が美世のそして薄刃の異能ゆえに手が出せない状態です。

そこで独自に薄刃家について調査を行うものの、進展がなく焦る清霞。

同じ頃、帝都の禁域にある墓所が暴かれたことにより、宮内省から交渉人と呼ばれる人物が清霞の元を訪れるのですが。。

 

美世の母方の親族

美世の異能の力について、ようやく明かされる2巻。

清霞が手を尽くしても居所が掴めなかった薄刃家との接触も叶います。

 

美世にとっての家族の在り方についても語られる今作。

1巻では主に父親と継母、異母妹とのかかわり方がメインでしたが、今作では母方の親族が満を持して登場します。

中でも美世の従兄である新がなかなかの曲者。

美世を守るという役目に拘る為か、はたまた嫉妬のせいか、清霞にやたらと突っかかります。

とは言え継母や異母妹ほどの完全な悪役ではない分、美世に対する思いやりなども透けて見える為、徐々に好感度もアップし憎めない存在に。

 

また祖父が放った家族の在り方についてのセリフが、美世の固定観念を崩す役割を担っており、ぐっと胸に刺さります。

家族の在り方やその役割について、改めて考えさせられるセリフでした。

 

ラストでは、美世の異能が顕現しなかった理由や、美世の母親の婚姻のからくりについてまで、実は巧妙に仕組まれたものだと判明します。

1巻での前提条件だった美世の生い立ちが実は伏線で、2巻で回収されたことが分かった時は、少なからず唐突感がありましたが、デビュー作でここまで考えていたのかと素直に感心しました。

 

清霞と美世の絆

美世の悪夢の原因を探るべく、薄刃家へ出向く清霞と美世。

清霞はそこで美世を引き取りたいと願う薄刃家と対峙することになり、結果美世と離れ離れになることに。。

 

この一連の出来事が2巻のメインストーリーとなるのですが、清霞と美世がお互いを想いあい気遣っているのに、ボタンの掛け違いのようにすれ違っていく様子が本当にもどかしく、途中で読むのをやめようかと思ってしまった程とても切なくなりました。。

 

ですがその後、禁域での墓荒らし騒動に対処するために出動した清霞が襲われ昏睡状態に陥り、そんな彼を救うためには美世が立ち上がります。

美世の異能の力がようやく発揮され、清霞とお互いに想いを伝えあうことができ、ホッとしました。

無事に戻った二人の仲睦まじい様子には、思わずこちらも頬が緩んでしまいました。

特に清霞のデレっぷりには注目です。

 

またこの巻では清霞の姉である葉月が登場。

清霞の血のつながった姉なので当然美人なのですが、性格は清霞と違って明るく人当たりもよく、おまけに面倒見もいい。

清霞とよく口げんかをしている様子がとても微笑ましいです。

 

ラスト近くで葉月の離婚した家族が登場するのですが、こちらも序盤から伏線が張ってあり、とても楽しめました。

 

まとめ

1巻の延長気分で読み始めたのですが、全く別の物語のような展開で正直戸惑いました。

ですが読み進めていくうちに直ぐにストーリーに没頭してしまい、一気に読了してしまうほど夢中に。

 

ヒロイン美世の成長が丁寧に描かれており、清霞を始め美世を支える周囲の人物とのやりとりにとても心が温まります。

 

とうとう美世も異能者として覚醒した今作。

続刊ではどのような事件に巻き込まれるのか、また清霞と美世がどのように乗り越えるのか、二人の絆の深さにも期待が高まります。

 

『わたしの幸せな結婚』感想

 

ネットでサイトを閲覧しているとき、よくマンガのバナーが現れます。

 

今まで特に気にしたことはなかったのですが、先日たまたまめちゃコミのバナーで「わたしの幸せな結婚」が表示されていたので何気に読み流していたところ、ものすごく続きが気になってしまい、思わずkindleでポチリしてしまいました(笑)。  

マンガは小説のコミカライズのようで、こちらを読んでから小説も購入(笑)。

 

 

 

デビュー作とは思えない筆力

著者の顎木 あくみさんはなろう系出身で今作がデビュー作ということですが、自分よがりなノリの部分や癖がなく、大変読み易く好感の持てる文章。

また世界観やキャラクター設定もしっかりしており、背景や感情などの描写もとても丁寧で分かりやすく、自然に物語に引き込まれてしまいます。

正直これがデビュー作?と驚いてしまったほど筆力があり、すでに活躍されている作家さんかと勘違いをしてしまいました。

 

あらすじ

舞台は、明治・大正時代の日本。

異能と呼ばれる能力を持った一族に生まれた美世は、異能の能力に恵まれなかったため、家族から使用人以下の扱いを受けて育ちます。

そんな美世に名家中の名家である久堂家から縁談が。

当主の清霞は、数ある縁談が全て破談になるほどの冷酷無慈悲として知られていますが、実際はある理由によりそう振舞っていた様子。

そうして久堂家に嫁ぐことになった美世の運命の輪が回りはじめます。

 

見どころと今後の期待

こういう小公女っぽい設定は今では珍しくないですが、儚く生気の乏しいヒロインをとにかく応援したくなるストーリー。

過酷な生い立ちゆえに自尊心が極度に欠落してしまった美世が、清霞の婚約者となることで、段々と生きる気力が宿っていき、徐々に清霞に惹かれていく過程に引き込まれていきます。

また冷酷無慈悲と噂される清霞が、きちんと美世の生い立ちや現状を認識し、その上で美世を受け入れていく様子に心惹かれました。

 

ただ、清霞が割とあっさり美世を受け入れたのがちょっと気になったかも。。

もうちょっとじらしてくれてもよかったのでは?とも思ったのですが、先を読み進めていくとこのタイミングで丁度いいかもしれません。 

 

美世を過酷な生活に追い込んだ張本人として継母と異母妹が挙げられるのですが、これがまたわかりやすいほどの悪役。

美世が実家にいた頃から陰湿なイジメや嫌がらせを繰り返し、美世が縁談で出て行ってからもとある出来事をキッカケに常識を超えた嫌がらせをしてきます。

このゲス家族が、清霞にコテンパンにやられる展開は読んでいてとてもスカッとして大変気持ちよかったです。

 

1巻では、まだ美世の異能が覚醒していません。

これから美世の異能がどのように顕現し、そして物語がどう展開していくのか。

また美世と清霞との関係性にも注目したいところ。

続刊が非常に楽しみです。

 

『薔薇十字叢書 天邪鬼の輩』感想

 

京極夏彦さんの小説のファンなのですが、相変わらず新刊がなかなか出ませんね。

そろそろ「鵺の礎」がでると噂で聞いたのですが。。

そんな折、恒例のamazonプライムデーでkindleもキャンペーンをやっておりいろいろ眺めていたところ、京極夏彦さんのシェアードワールドを見つけて早速購入。

どうやら何冊かあるようなのですが、今回は『薔薇十字叢書 天邪鬼の輩』の感想を綴らせていただきます。

 

簡単なあらすじ

関口たちがまだ学生時代の話。

校内でも抜群の人気と知名度を誇る榎木津が、女学生を妊娠させたという噂が広がります。

相手の女学生とは面識があるもののそんな事実は到底なく、榎木津を救うために中禅寺と関口が事件解決に奔走します。

そうして明かされた真相とは・・・?

 

おなじみの登場人物に降りかかる事件

まだ完全に病んでいないせいか、素直で正義感のある関口。

成人した本人の片鱗はあるものの、まだまだ青臭さの残る学生の中禅寺(京極堂)。

榎さんにいたっては、成人した本人と比べると至極まともな学生(笑)。

 

そんな3人の出会いを描いた学生時代の物語です。

当然京極夏彦氏ではなく別人が書く為、ある程度の違和感は仕方ないと思っていましたから、完全に二次創作の別物として読ませていただきました。

 

実際に読んでみると、とても読みやすい文章でラノベにありがちな軽いノリや癖がなく、スルスルと流れるように読み進められました。 

学生時代ということでみんな素直すぎる感じはしますが、学生の頃は本当にこんなことがあったのかもしれない、と思わせる無理のないストーリーで、3人の友情にも心が温まります。

 

ですが、やはり若干の違和感は否めないですね。

特に関口君の描写は、オリジナル版では「サル」が定番で、容姿についてはまぁそこからおおよそ察することはできるのですが、中禅寺が殊更に「ハムスター」を連発するのには少なからず抵抗が・・・。

関くんってそんなに可愛かったの??

 

榎さんも確かに変わり者ではあるのですが、それでもインパクトが弱すぎるというか、「少し変わったところのある美少年」という感じでしょうか。

まぁ「姑獲鳥の夏」の頃の榎さんはまだそれほどの変人ではなかったので、学生時代ならこの程度だったのかな。

  

京極堂については、若干関口に対して甘すぎる印象はありますが、やはり学生時代と考えれば納得できる範囲かなと思いました。

 

肝心のミステリー部分ですが、学生が解決することもあり、犯人の目星は割と簡単につきますし動機についても特に目新しいものはないと思います。

また犯行が明らかになった際の犯人の行動も短絡的で、作家本人が言っている通り二時間ドラマのようです。

だからと言って決して面白くないわけではなく、事件解決に向けての3人のやり取りや学生生活なども盛り込まれている為、飽きることなく最後まで読み進められました。

 

まとめ

京極夏彦さんの続編としてではなく、あくまでも二次創作と読む分には面白かったと思います。

ただ、どうしてもオリジナル版の性格やイメージが破綻しているのは許せない、という方には向かないかもしれません。

 

「鵺の礎」の発売に待ちくたびれてしまって、パラレルでも大丈夫!という方は、繋ぎとして読んでみるのもいいのでは・・・?

 

テレワーク 買ってよかったもの 3 デスク周り・リラックスグッズ

 

テレワークもそろそろ落ち着いてきて、すっかり日常生活に馴染んできました。

  

もういい加減、快適に過ごせるグッズも揃っただろうと思っていたのですが、欲張るといろいろと必要になってしまうのですね(笑)。

 

今回、私が新たに購入して良かったなと思うものをご紹介させていただきます。

 

※以前購入したものの紹介はこちら↓ 

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オフィスチェア

 

気候も段々寒くなってきたせいか、椅子に長時間座っているのが辛い。。

もともと事務作業に向いている椅子ではなかったので、思い切って購入してみることにしました。

 

結果、買って正解でした!

椅子なんて初めての購入だし、そもそも不器用な私に組み立てられるのか心配だったのですが、全然大丈夫でした。

組み立ての説明書を見ながら順番に作業をしていったのですが、説明書がとても分かりやすく、またパーツもそれほど多くなかったので30分程で完成しました。

六角レンチなど初めて使ったのですが、こういう工具に慣れている方ならもっと簡単に素早く組み立てられると思います。

 

お値段の割には座り心地もよく、キャスターがついているので立ったり座ったりの動作もスムーズ。

私は以前こちらで紹介した座布団とクッションを取り付けて快適に座っています。

 

デスクマット

自宅の机の上にはガラスが敷いてあるのですが、当然マウスが全く反応しません。。。

そこで、以前購入したゲームの付録についてたマウスパッドを使っていたのですが、とても小さくてすぐにマウスがはみ出てしまう有様。

それでも半年くらいはこのマウスパッドで何とか仕事をしていたのですが、どこかのサイトにマウスパッド代わりになるデスクマットが載っていて、早速購入してみました。

 

少し大きめのデスクマットなのでマウスがはみ出ることがなく、自由に移動させられるのに感動。

また、防水なので飲み物などの水滴もすぐに拭きとれるし、お菓子のクズなどもくっつくことがありません。

マットの触り心地もよく、ボールペンなどで文字も書きやすい。

今までよくあの小さなマウスパッドで我慢できたな、と思うほどとても使いやすいです。

 

ヨガマット

私はテレワークを始めてからヨガをするようになったのですが、足踏み運動器具のステッパーのマットで代用していました。

 

ですが引っ越しをしてフローリングの床になったので、思い切ってヨガマットを購入。

当たり前ですが、思っていた以上にものすごくヨガがやり易くなりました 。

 

ヨガなんてやらない、という方でもストレッチくらいはするのではないでしょうか?

私は気分転換にストレッチをする際にも、ヨガマットの上で行います。

適度に弾力もあるので、寝転がってストレッチをするにも最適かと。

軽い筋トレなどもこちらで行って、少しでも体を動かせるようにしています。

 

アイマス

直接デスクワークに関係ありませんが、目が疲れた時などちょっと休めたくなりませんか?

私は目薬をしたあとアイマスクをして5分くらい休ませていたのですが、すぐにゴム紐がゆるんで使えなくなってしまいました。

 

そんな時、ゴム紐ではないアイマスクを発見!

これ、普通のアイマスクと違ってゴム紐ではなく頭に巻くタイプなので、フィット感が半端ないです。

おまけに軽いし肌触りもよく、その上通気性もあり手洗い可。

このな便利なものがあったのか!と感動しました。

 

もちろん普通に寝る時にも使えますし、くるくると巻いて収納できるので旅行などにも持ち運びが便利です。

 

もう少し寒くなったら、このアイマスクの上に使い捨てカイロを置いてもいいかな、などと企んでいます。

 

 

細々とご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

相変わらずコロナの感染者数は中々減らない状況ですが、そんな中でもできるだけ快適に過ごせるよう、少しでもお役に立てれば幸いです。

 

今さらハマった!PS Vita版『越えざるは紅い花』感想 ~ルジ・ウル・トーヤ・Vita版追加要素~ 

 

攻略対象が9人とボリュームのある『越えざるは紅い花』。

今回でやっと全員クリアしましたのでその感想と、Vita版で追加になった要素についても綴らせていただきます。

 

 ※他のキャラクターの感想はこちら↓  

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※若干ネタバレしておりますので、読まれる際はくれぐれもご注意ください。

ルジ

国一番の薬師で、ルス人と似た髪色を持つ優し気な雰囲気の美青年。

誰に対しても人当たりが良く、女性に対して警戒心を抱かせない柔らかい物腰。

 

ルジのルートは主に腐死の解明と治療薬の開発です。

途中まではトーヤと同じルートなのですが、分岐点まで中々登場しない為、いざルジが登場しても中々気持ちの切り替えができませんでした。

ですがルジのルートを進めていくうちに、彼の人柄に段々と惹かれていくようになりました。

 

ルジは過去にあった出来事によって、女性を傷つけることを恐れている為、結婚は考えていないとのこと。

ですがこの事は今まで誰にも話したことがないらしく、ある時ナァラだけに打ち明けます。

また、段々と打ち解けていくうちに、ナァラとルジは血縁関係であることが判明。

 

女性に対して関心がないはずのルジですが、ナァラとの距離が縮まっていくうちに、ルジのナァラへの気持ちも大きくなっていきます。

 

ですがトーヤの妻、つまり妃であるナァラに恋をしてしまったルジの葛藤がとても切なく、、、。

ナァラもそれが分かっているだけに、苦しみます。

普通に考えれば許されない二人の恋。

どうやって決着をつけるのだろうと先が気になりました。

一度は諦めようとしてもできなかったルジ。

そんな彼が選んだ結末とは。。

 

その外見と人となりから草食系かと思っていましたが、結構ガッツリ肉食系で、そのギャップに萌えました(笑)。

おまけにノール程ではないものの、かなり嫉妬心が強かったりして楽しめました。

 

また、唯一このルートではシャルにも恋人ができます。

ルジの幼なじみとナァラの幼なじみ同士での合コン(?)は、他にはないので貴重だし、その会話がとても楽しくて、思わず混ざりたくなってしまいました。

 

ウル

元々はトーヤの侍従でしたが、ナァラの侍従へ。

とにかく可愛い!

いやもう、こんな男の子が侍従だったら、色々からかったり可愛がってあげたい!

とにかく素直で職務に忠実で真面目なウル。

ナァラに対しての心遣いも、兄に対して一歩も引かない強さを見せるなど芯が通っています。

 

そんなウルにも心に秘める想いがあるのですが、決してナァラに明かそうとしないところが、また可愛くて健気で抱きしめたい(笑)。

 

最後に自分の想いを伝えるウルは、今までの可愛らしさではなく、少年の真摯な想いに溢れていて格好良かったです。

 

トーヤ

ナスラの王。ナァラたちを攫ってきた張本人。

国法ゆえに逆らうことが出来ず仕方なく攫ってきたが、女性たちを傷つけることをよしとせず、彼女たちに夫を選ばせる制度など制定。

常に女性たちの幸せを願っているが、ルスの女性と自分の結婚は考えていない。

 

トーヤルートは、ルジ同様、腐死の謎について解明していくストーリー。  

初めはトーヤに反発していたナァラですが、トーヤの考え方や、事あるごとにすぐに謝罪する様、そして時折見せる子供のように屈託のない明るさなどに触れていくうち、段々とわだかまりが解けていきます。

 

そのうちナァラとトーヤの過去に意外な繋がりがあることがわかり、ますます二人の距離が縮まっていくのですが・・。

やっとナァラが素直になってトーヤを受け入れて、これでめでたしめでたし!となるかと思いきや、予想外の展開に・・・!

 

これまでもトーヤの闇の部分についてそれとなく伏線は張ってあったのですが、これがまたそうくるか!という設定で驚きました。

 

いつも明るい太陽のような笑顔のトーヤからは窺い知れないその闇が、かなり重くて衝撃的でした。 

トーヤの、その重い過去に向き合っていく姿、ナァラに対する想いの強さに胸が痛くなります。

 

そんなトーヤを受け入れるナァラ。

ですが二人を取り巻く環境は、かなり深刻な状況に陥ります。

BESTエンドでは、二人の絆の深さに感動するとともに、ルスの女性たちにも受け入れられている様子が描かれていて、これまでの姿勢が報われて良かったなと思えるエンディングでした。

 

後日談では、もう恒例とも言える(笑)ノールのお邪魔虫に笑いました。

 

 PS Vita版追加要素

スペシャルストーリー

スレンとトーヤをクリアして見られる追加シナリオで、スレンと結婚しているナァラ達のお話。

 

相変わらずスレンの嫉妬深さが全開で、トーヤと友達として接しているナァラに、スレンが忠告をしてきます。

トーヤルートをクリアしていれば、このスレンの心配も理解できるのですが、 ナァラにとっては親友であるトーヤを邪見にすることも出来ず。。

 

スレンは、幼馴染としてのトーヤを大切に想っているけれども、だからと言ってトーヤのナァラへの接し方や気持ちを許せるものではありません。

もちろんナァラへの想いもあり、これらの感情が複雑に絡み合って誤解を生んでしまいます。

 

それでもトーヤの秘密を頑なにナァラに話さないスレンには、トーヤと育んできたであろう絆の深さと漢気も感じさせられます。

また、トーヤのスレンには対する友情も現れていて、二人の公にできない秘密を共有する絆に、男同士の熱い友情と信頼関係の強さを感じました。

 

ショートストーリー

トーヤ・スレン・ノールの書き下ろしSSが3本。

コメディ調のシナリオがベースで、前半はとにかく笑いっぱなしのストーリーでした。

 

3本とも共通しているのが、全員ナァラにベタ惚れで、しかもそれぞれがそれぞれに嫉妬しているという(笑)。

いずれもいかにナァラが愛されているか、もしくはどれだけナァラを愛しているかが堪能できるストーリーでした。

 

また他にも以前雑誌などで掲載されたSSも収録されており、計13本とかなり読み応えのある追加となっております。

どの話も糖度が高くて甘い気分に浸れました。

 

ボイスドラマ

ルジとエスタのボイスドラマ。

ルジはエンディングを迎える前の設定で、トーヤの妻であるナァラに対する気持ちが切なく描かれています。

エスタは、BESTエンドではなく「永久の待ち人」後の設定。

エスタの誠実さが痛いほど伝わってくるのですが、出来ればBESTエンド後で作ってほしかったな。。

 

クロックモード

う~ん、正直使い方というか使い道がよくわからなかったです。。すみません。。。

ですが、普段からこういうものに慣れ親しんでいる方なら、きっとおいしい要素だと思います。

 

まとめ

どこか中央アジアや中東を伺わせる舞台に、まるで韓国や中国の大河ドラマのように、戦争や陰謀、恋愛が複雑に絡み合ったドラマティックで濃密なストーリー。

その世界観にたっぷり浸らせていただきました!

おまけに、糖度もめちゃくちゃ高かった!

 

政治や軍事などの設定もしっかりと作り込まれているし、特に目立ったご都合主義や矛盾もなく、自然とその世界観に引き込まれて行きます。

また疫病や出生率の低下など、現代にも起こっている問題を扱っている為、「どこかのファンタジー世界のお話」という他人ごとではなく、割と現実に近い感覚で受け止められました。

 

主人公ナァラのキャラクターも本当に良くできていて、芯の強さや公平な態度、優しさと聡明さにとても好感が持てました。

それぞれ魅力的なキャラクターとの恋愛過程にも、矛盾がなく自然で丁寧。

ナァラでなかったらここまで感動しなかっただろうな、と思うストーリーでした。

 

攻略対象のキャラクターについても、一人も嫌だなと感じる人はおらず、全員大好きになりました。

中でも一番のお気に入りは、献身的で無償の愛を貫くエスタ。

ですが、普段の変態腹黒ぶりと、時折見せる素直な本音の愛情表現とのギャップが激しいノールも捨てがたいですね(笑)。

そして三番手はセフかスレン。

とは言え、他のキャラクターも皆魅力的でボリューム満点でした。

 

ゲームをクリアする度に思うのですが、終わってしまうと本当にさみしいですね。。

PC版ではファンディスクもでているようですので、出来ることならこちらと合わせてswitchに移植して欲しいです。

 

シリアスで濃密なストーリーが好きな方、異国風の大河ドラマを味わいたい方、たくさんのキャラクターを攻略したい方にはとてもおススメのゲームかと思います。

今までswitchのゲームに拘っていましたが、Vitaにも目を向けようと思わせていただいた作品でした。

 

今さらハマった!PS Vita版『越えざるは紅い花』感想 ~ノール・ジギ・エスタ~

 

思いの外はまってしまった『越えざるは紅い花』。

出生率の低下が原因で他国から女性たちを盗んでくるという、とても深刻で重いストーリーですが、主人公のナァラの生き様に目も心も奪われます。

 

今回はノールと、ノールから分岐するエスタ、ジギの感想です。

 

 

※他のキャラクターの感想はこちら↓ 

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 ※若干ネタバレしておりますので、読まれる際はくれぐれもご注意ください。

ノール

第一印象ではその美貌に目が釘付けだったのですが(笑)、こういうキャラクターの常なのか、とても一筋縄ではいかないノール。

 

金髪碧眼の美青年であり、国王の側近で頭脳明晰な政務補佐。

だけど変態で腹黒(笑)。

恋愛においては女性にも男性にも興味はないが、経験は豊富らしい。

感情を表に出さず興味がないものには目もくれないくせに、一度自分のものになったものに対しての執着心は強烈。

 

とある出来事でノールの妻となったナァラ。

初対面からお互いの存在を嫌悪していたのに、お互いがお互いを認めていく過程で、段々とその感情が変化をしてくところが見どころです。

特に、常にナァラに対して冷たい態度を取っていたノールが、ナァラに気づかれないように陰から助けたり気を遣っていたりするのがツボにはまります。

 

そしてもう一つの見どころがノールの独占欲の強さと執着心。別名嫉妬。

これがまた、病的なんです(笑)。

行き過ぎるとこうなるよね、という典型がBADエンドなのですが、BESTエンドでもその嫉妬心は健在です。

ここまでくると、逆にノールが可愛くなっていくから不思議(笑)。

 

そんな二人が惹かれ合い結ばれる過程は、ほかのキャラクターとは一味違って、ノールらしいストーリー。

確かに変態ではあるのですが(笑)、だからこそナァラへの愛を語る場面では、普段は素直に出せない秘めた想いが純粋に伝わってきて、ものすごく感動しました。

月光の中でのキスシーンは、とても幻想的でロマンチックで思わず見惚れてしまったほど。。。

美青年で色男だけに、その神秘的なスチルに一撃でノックアウトでした。

 

そんな色男ぶりはエンディングでも発揮しています。

ノールの為にノールの母国語を勉強中のナァラ。

そんな勉強熱心な彼女に、ノールは母国語で自分の寂しい気持ちを伝えます。

この時のノールの甘さと優しさに溢れたスチルには日常の何気ない幸せが詰め込まれていて、(あのノールなのに!)こちらも幸せな気分になりました。

 

後日談は、あのノールが!?と思わせるほどナァラにベタぼれな結婚推進派に(笑)。

独身のトーヤやスレン、ルジを巻き込んである計画を実行するのですが、これが今までのシリアスな流れとは趣のことなるコメディ調で面白かった!

本来冷酷無比なノールですが、ナァラにベタぼれ具合とのギャップがありすぎて、微笑ましかったです。

 

また、ノールルートではエスタが頻繁に登場して重要な役割を担っています。

ある場面でエスタがノールの物まねをするシーンは、本当に上手くて笑わせていただきました。

 

移植する際、PC版の18禁要素を削除したせいか、ところどころストーリーのつながりが噛み合ってない?と思われる部分もありましたが、それでも攻略済みキャラクター中、一番糖度が高いイベント満載のルートでした。

 

ジギ

エスタの部下。

ノールルートでエスタのEDを見た後、初めからゲームを開始することでプレイできます。

エスタと同じルートで進み、途中から分岐。

 

エスタを尊敬しているため、エスタと結婚したナァラが気に食わず、初対面からナァラのことが嫌いと公言するジギ。

ナァラも気が強いし、何よりも同年代ということでお互い悪口の応酬となるのですが、気を遣わない分、ナァラにとって段々気の置けない存在となっていきます。

それはジギも同じようで。。

 

ナァラと同年代ですが、思っていたよりもしっかりしているジギ。

ナランと同様に、上司の嫁に恋愛感情を抱いてしまうのですが、ナランと違ってジギは自分の感情に正直に行動します。

そう、我慢しないのです(笑)。

  

この辺りエスタが気の毒で仕方なかった。。

とにかくエスタの懐の深さに涙。エスタなんていい奴だ。

 

ジギは移植後に追加されたキャラクターのせいか登場するのが遅く、またナァラとの絡みも少ないためちょっと物足りなさが否めない。。。

ですがとても魅力的なキャラクターですので、これはこれで楽しめました。

  

エス

ノールの部下で秘書兼筆頭侍従。

ノールの命令でナァラを監視・見守っていたエスタ。

とある出来事で、ナァラを救うために彼女を娶ることになります。

 

その生い立ち故に表情が乏しく感情の起伏も少ないエスタが、ナァラと関わっていくうちにどんどん人間らしい感情や表情を表わしていく過程がとても丁寧に描かれていて、その変化の一つ一つに、ナァラと同じく嬉しくなりました。

 

元々の性格が優しいというのもあるのでしょうが、いつもナァラのことを気遣っているエスタ。

常にナァラの意見を尊重し、自分の主張は控えめに。。

そんな奥ゆかしいほど奥ゆかしいエスタにどんどん惚れてしまいます。

まさに無償の愛。

無の塊だったエスタが、ナァラを一人の女性として愛する様子が、愛しくてたまらないです。

 

そんなエスタルートですが、ノールルートからの分岐でもあるせいか、やたらとノールが絡んでくる(笑)。

これがもう、本当にノールの性格の悪さが出ていて笑えます(笑)。

とは言え、終盤エスタとノールが一緒にナァラをかばいながら戦闘するシーンがあるのですが、これがまた二人ともものすごくカッコよかった!

 

BESTエンドでは二人の幸せな姿が見られて、こちらも本当に幸せでした。

これでやっと幸せな生活が送れるね!良かったね!・・・と思ったら、後日談でまたもやお邪魔虫のノールが(笑)。

 

ありとあらゆる手段で新婚生活を邪魔するノールに、少しだけエスタとナァラが気の毒になりました。

ですがラスト、やられてばかりいないエスタの、本当に男らしく成長した姿に感動しきり。

よくぞここまで立派に育ってくれたと、保護者のような気分でした(笑)。

 

余談ですが、オルテ大臣にえらく気に入られたエスタですが、まさか閨の作法まで教えてもらうとは!おまけに養子の話まで!

セフの行く末が心配になりました(笑)。

 

 

ここまで攻略した中では、完全にエスタにやられました(笑)。

公式HPの人気投票では3位というのもうなずけます。

とにかく人数が多いのでなかなか先に進まない。。

次はやっとたどり着いた、王様トーヤルートです。

 

伊坂幸太郎『逆ソクラテス』感想

 

久しぶりに伊坂幸太郎さんの小説を読みました。

伊坂さんの作品のセンスのある会話やどんでん返しなどの展開などが好きなのですが、今回の作品は主に子供が主人公ということもあり、少し心配をしておりました。

 

ですが、やはり伊坂先生!子供であってもちゃんとセンスのある会話が登場しています。

まぁ正直「小学生がこんなこと言う?」というのもありますが、それほど違和感はありませんでした。

 

また全体を通して、人としての大切なものがメッセージとして込められています。

学校で教わる勉強以外のとても大切なもの。

子供だけではなく、私も含めて大人にもぜひ読んで欲しい内容となっております。

 

短編5編で構成されている本作。

それぞれについて簡単な感想を綴らせていただきます。

 

 

ソクラテス

先入観についての話。

自分の先入観で相手を見たとき、その時の好き嫌いなどの感情で評価が分かれる。

またその発言によって、周りの人物にも影響を与え評価を左右させる。

 

これって、ありがちですよね。

もちろん先入観を持って見てはいけないと頭では理解していても、つい先入観に引っ張られて会話することもあります。。 

 

そんな時、相手から「自分はそうは思わない」と言われたらどうでしょう?

もしくは、相手が先入観から意見を言って来た時、「自分はそうは思わない」とはっきりと言えたら。

 

小学生でこの発言は達観しているなと思うものの、大人の自分にも刺さる言葉でした。

 

ずっと教師にダメ評価をされていた少年が、ある作戦をキッカケに自分への評価を変えていく。

プロ野球選手になったらサインを」という約束は、冒頭のプロ野球のシーンにつながっていて、少年の活躍が素直に嬉しかったです。

  

スロウではない

全体的な流れは、いじめっ子といじめられっ子の話。

クラスのいじめっ子に、ことあるごとに絡まれる転校生の少女。

前の学校でいじめられていたから転校して来た、といじめっ子にばらされますが、実は別の理由があって・・・。

「スロウではない」というタイトルについても、この理由から察せられます。

 

また、随所に主人公と友人のゴッドファーザーを模した会話が挟まり、「ドン・コルレオーネ」と呼びかけ、現実の理不尽さについて揶揄しているのがとても小気味良かったです。

 

その他にも未来と過去の描写が交互にあり、未来は小学校当時の担任との会話で構成されています。

未来の話で、歳を重ねた元担任との会話については胸が熱くなりました。

 

 非オプティマ

「相手によって態度を変えることほど、格好悪いことはない」

まさにこの話の全てを集約している言葉だと思いました。

 

クラスで授業中にペンケースを落とす行為を先導する騎士人。

そんな彼に、いつも貧乏そうな服装の為見下されている福生

生徒達になめられている担任の久保先生。

 

主人公の将太はふとしたことがきっかけで、福生とつるむように。

ある日、福生と共に久保先生の抱える秘密に触れたことがきっかけで、久保先生に変化が訪れます。

学校公開(授業参観)で、久保先生が発した言葉が「相手によって態度を変えることほど、格好悪いことはない」。

 

今まで騎士人にさんざん馬鹿にされてきた福生が、最後に騎士人にかけたのはどんな言葉だったのか。

とても気になります。

 

アンスポーツマンライク

主にバスケットの話。

バスケに詳しくないけれど、プレイについての描写に特に困ることもなく、楽しく読ませていただきました。

 

小学校のミニバス時代から一緒だった歩達5人。

「スロウではない」にも出ていた磯憲がコーチで登場。

ここでも磯憲は心に響くセリフを言います。

大人になった歩達が遭遇した事件で、そのセリフがとても温かく心にしみ込んできます。

 

また、タイトルの「アンスポーツマンライク」についても、ラストで希望が見える演出がされていて、胸がジンと熱くなりました。

この出来事が、この後別の感動を生むことになります。 

 

逆ワシントン

アメリカ大統領ワシントンの逸話から、真面目で正直に謝ることができることの大切さについての物語。

 

作中、ワシントンの逸話について「実話ではなかった」という描写があるけれど、それでも正直で誠実な姿勢や態度は、自分の為だけではなく、少なからず他人にも良い影響を与えるものだよね。

この作品を読んで、そんな感想が浮かびました。

 

自分に正直に。相手に誠実に。そんな行為の全てが報われるわけではないけれど、最後に報われたのではないかな?と思わせる演出には、感動がこみ上げてきました。 

 

終わりに・・・

いくつかの作品に登場する磯憲先生は、伊坂さんの小学校時代の担任の先生から名前をお借りしているそうです。

「勉強とはまた違う大切なこと」を教えていただいたそうで、こういう素敵なめぐり合わせがとても羨ましくなりました。

本作でも、この「勉強とはまた違う大切なこと」を学んだ気がします。

 

コロナの影響で何かと心が疲れている方、また人として大切なことを見つめ直したい方など、気になる方はぜひ読んでいただけらと思います。

どの話も、読後、心に残るものがきっとあると思いますから。。。